ミルクティー

家にひきこもっててふと外に出ると
ものすごく寒くなってて
空気がもう完全に冬のアレで。
夜空が澄んで、息が白い。
マフラーをぐるぐるまいて。
がちがちなるのは嫌だけど
「肌寒い」って感覚はとてもすき。
そして寒いときに、あったかくするのも。
おおきな息をすって、冷たい空気を体じゅうにいれる。
もう冬だなあ。
大切に大切に両手につつまれ強くにぎられ
守られてきたこのわたしの手。だから。
わたしも大切な大切なものを離さないで、強く強く守れるひとになりたい。
そんなことを遠まわしに話すと、
お母さんはすごく優しい顔で笑って
またわたしの手をさすってくれるんだ。
わたしの尊敬するひとは、お母さんです。
この歳になってようやく、はっきりわかったんだ。
わたしもきっと、お母さんみたいなお母さんになれるように
がんばるから。
そんなことを遠まわしに殿に話しながら
ポーカーフェイスの横顔を盗み見る冬空の下は
とてもあったかかった。